米大統領選後の国際政治の分析、日本はどう対応すべきか

浅海保先生

講話日:平成28年12月2日(金)

浅海保先生

読売新聞東京本社・元編集局長・同グループ副主筆

講演要旨

 トランプの実像として、4回破産して芸人までして苦労し復活した人物なので、Deal(取引、駆け引き)に長けている。その手法は、まず相手に無茶な要求をし攻撃するなど、非常識な発言で注目を集め、自己も利益を得るが、相手にも利益を与える。トランプが勝利した理由は、自動車をはじめ外国との産業に敗れ職を失った白人労働者に雇用を約束した。また「偉大なるアメリカを取り戻す」とのフレーズがアメリカ人の心を打った。
 トランプによると、同盟国からの軍事撤退やTPP反対の発言は、向後、アメリカが孤立主義に走るのではと心配されているが、しかし、他国の協調なくして、果して「偉大なるアメリカ」を実現できるのか疑問である。また、第二次世界大戦後の国際秩序について、クリントンが「まだ修正可能だ」と言ったのに対し、トランプは「もう無理だ!一度ゼロに戻して、やり直そう」と言うが、言うは易く、実現できるかは、大統領就任後の彼の政策いかんによる。日本は、そうしたトランプ政策が、表目に出る場合ばかりではなく、裏目に出た場合の双方につき、いまから対策を考えておく必要がある。そのあと、中国、ロシア、ドイツについての分析・解説もあり、その後の質疑・意見交換も盛んであった。

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